📋 「うちの子の学年では何を学ぶ?」「つまずきの原因はどこにある?」——小学算数の6年間は、1本の幹のようにつながっています。このページでは、各学年の山とつながりマップ、つまずいたときのさかのぼりの道順を図で示し、学年をまたいで確かめる診断問題をまとめました。
6年間の「山」を先に見ておく
どの学年にも、つまずきやすい単元(山)があります。そして、どの山も前の学年の内容を土台にしているのが算数の特徴です。お子さんが今つまずいている単元の原因が、1つ前・2つ前の学年に見つかることがあります。
6年間のつながりマップ
小学校の計算は、下の図のように1本の幹でつながっています。学年をさかのぼるのは遅れではなく、上に積み直すための準備です。
さかのぼりの道順
| いまのつまずき | さかのぼって確かめる先 |
|---|---|
| 割合ができない(5年) | 小数の×÷(5年前半)→「倍」の意味(3年) |
| 約分・通分ができない(5年) | 倍数・約数(5年)→ 九九(2年) |
| 分数の計算ができない(6年) | 約分・通分(5年)→ 分数の意味(3・4年) |
| わり算の筆算が遅い(4年) | 九九をバラバラに(2年)+ひき算(1・2年) |
| 文章題が全学年で苦手 | テープ図・線分図をかく練習(文章題の解き方) |
にじゅうまる。算数ドリルは学年を自由に行き来できるので、「診断→さかのぼり→戻る」の流れを家庭で作りやすくなっています。
学年別の学習内容と、この学年の中心
1年生:数と計算のはじめの一歩
主な内容:10までの数/いくつといくつ/たし算・ひき算/くり上がり・くり下がり/時計/かたち
この学年の中心:くり上がり・くり下がり。土台は10の合成分解。1年生の家庭チェックリスト →
2年生:九九を、順番でもバラバラでも
主な内容:2けたの筆算/かけ算の意味と九九/長さ・かさ/時刻と時間/三角形と四角形
この学年の中心:九九。3年生のわり算は九九を逆から使う。2年生:九九を家庭で仕上げる →
3年生:九九からわり算へ
主な内容:わり算(あまり)/3〜4けたの筆算/かけ算の筆算/小数・分数の意味/時間の計算/km・kg
この学年の中心:わり算。九九の逆として学ぶ。3年生:九九からわり算へ →
5年生:割合・小数・分数をつなげる
主な内容:小数の×÷/倍数と約数/約分・通分/単位量あたり・速さ/割合と百分率/面積・体積
この学年の中心:割合と約分・通分。1本の幹でつながる。5年生:割合・小数・分数のつながり →
6年生:中学数学への接続
主な内容:分数の×÷/文字を使った式/比/比例と反比例/円の面積/場合の数/データの活用
この学年の中心:分数の×÷と比例。中学の方程式・関数の入り口。6年生:中学数学への接続 →
さかのぼり診断問題(学年をまたいで6問)
1年生から6年生まで、各学年の中心の単元から1問ずつ選びました。上から順に解いてみて、最初にまちがえた問題の学年が、確かめ直す場所の目安です。
- 【1年】10は3と□
答えと考え方
7。まちがえたら → 10の合成分解(たし算の教え方)
- 【2年】7×6
答えと考え方
42。バラバラに聞かれて止まるなら → 止まる九九の特定(2年生の家庭ガイド)
- 【3年】45÷6
答えと考え方
7あまり3。6×7=42、45−42=3。あまりが6以上になったら → 九九の逆引き(3年生の家庭ガイド)
- 【4年】504÷7(筆算)
答えと考え方
72。見当は490÷7で70くらい。けたがちがったら → 筆算の4手順(4年生の家庭ガイド)
- 【5年】0.6×0.4
答えと考え方
0.24。6×4=24、小数点以下は1+1=2けた。1より小さい数どうしなので、答えは0.6より小さい。まちがえたら → 小数の×÷(5年生の家庭ガイド)
- 【6年】3/4÷3/8
答えと考え方
2。3/4×8/3=24/12=2。まちがえたら → 分数の×÷(分数の教え方)
前の学年の穴が見える誤答例
高学年の誤答の中には、原因が前の学年にあるものがあります。誤答から「どこに戻るか」を読む例です。
何が起きたか:2でわったあと、まだ3でわれることに気づいていません。9と6の公約数(3)がすぐ出てこないのは、九九の6・9の段にさかのぼる手がかりです。
家庭での直し方:5年生の約分の練習を増やす前に、2年生の九九(特に6・9の段)をバラバラに聞いて確かめます。止まる九九があれば、そこから練習します。
何が起きたか:もとにする量(20人)とくらべる量(5人)を逆にしてわっています。割合が1より大きいのに、全体より少ない人数の割合を答えています。
家庭での直し方:3年生の「倍」の意味(6cmの3倍は?)に戻り、「何をもとにして何倍か」を言葉にする練習をします。割合は 5÷20=0.25。
何が起きたか:6×6=36、45−36=9 と計算しています。あまり9は、わる数6より大きいので、まだ分けられます。
家庭での直し方:あまりの確かめ(あまり<わる数)に加えて、6の段を逆から(「6の段で45をこえない一番大きいのは?」)聞いて、2年生の九九を確かめます。
何が起きたか:十の位の商を8とたてて 7×8=56 を50から引こうとしています。50をこえない7の段(7×7=49)がすぐに出てきません。
家庭での直し方:筆算の手順より先に、7の段を逆から聞く練習(「7の段で50をこえない一番大きいのは?」)に戻ります。見当(490÷7で70くらい)を立てると、商の十の位は7だとわかります。
つながりマップの根元(10の合成分解・九九・倍の意味)は、机に向かう時間だけでなく、ふだんの会話の中でも育てられます。買い物のお釣り、出かけるまでの残り時間、おやつの分け方——どれも、あとの学年の単元(ひき算・時間の計算・わり算・分数)の入り口です。
学年が上がっても、「あといくつで10?」「1人分は?」「全体の何%?」と、その学年の見方で同じ場面を話題にすることができます。
幼稚園のころから、会話の中で計算をやるようにしていました。「あと何分でできる?」「あと何時間でできる?」、買い物中は「1000円出すとお釣りはいくら?」、慣れてきたら「950円のときに1050円出したらお釣りはいくら?」「小銭を少なくするにはどうしたらいい?」。
分けるときも同じで、「4人家族で分けると1人どれだけ?」「10個だと何個になる?」「パパは1個でいいから、残りを分けると1人何個?」と聞いていました。
長期休みの学年別・復習テーマ
| 学年 | 夏休み | 春休み(進級前) |
|---|---|---|
| 1年生 | 10までのたし算ひき算 | くり上がり・くり下がり |
| 2年生 | 筆算の手順 | 九九をバラバラ・逆から |
| 3年生 | 九九の点検+わり算 | 小数・分数の意味 |
| 4年生 | わり算の筆算 | 小数の計算+がい数 |
| 5年生 | 約分・通分+小数の×÷ | 割合の総復習 |
| 6年生 | 分数の×÷+割合 | 6年間の計算の総点検 |
休み中は「先へ進む」より「直前の学期の穴を埋める」を優先するのがおすすめです。
学年をまたぐ前のチェック表
学年に関係なく、「まだ難しい」が付いた行が、いま戻る場所です。
| チェック項目 | できる | 少し迷う | まだ難しい |
|---|---|---|---|
| 10の合成分解が即答できる | |||
| くり上がり・くり下がりが安定している | |||
| 九九をランダムに聞かれて答えられる | |||
| あまりのあるわり算ができる | |||
| わり算の筆算の手順が言える | |||
| 小数点の位置を正しく処理できる | |||
| 「もとにする量」を問題文から見つけられる |
確認日: 2026年9月27日。学習指導要領の算数は、「数と計算」「図形」「測定(1〜3年)・変化と関係(4〜6年)」「データの活用」の領域ごとに、学年をまたいで内容が積み上がるように構成されています。このページのつながりマップとさかのぼりの道順は、この系統のうち家庭でつまずきが見えやすい計算の流れを、戻る場所がわかる形に整理したものです。道順と診断問題は、にじゅうまる。運営者による整理です。
まとめ
- どの学年にも山があり、どの山も前の学年の内容が土台
- つまずいたら、つながりマップとさかのぼりの道順で戻る場所を決める
- 診断問題で最初にまちがえた学年が、確かめ直す場所の目安
- 高学年の誤答から、前の学年の穴が見えることがある
- 休み中は先へ進むより、直前の学期の穴を埋める
よくある質問
Q1. つまずきやすい学年はありますか?
どの学年にも山があります。1年のくり上がり、2年の九九、3年のわり算、4年のわり算の筆算とがい数、5年の割合と分数、6年の比と比例です。どの山も前の学年の内容が土台になっているので、つまずいたら前の学年に戻って確かめます。
Q2. さかのぼり復習は、どこまで戻ればいいですか?
さかのぼりの道順をたどって、「スラスラできる」ところが見つかるまで戻ります。学年をまたいだ診断問題で、最初にまちがえた学年を目安にする方法もあります。
Q3. 先取り学習はさせるべき?
必須ではありません。つながりマップの幹(10の合成分解・九九・小数の計算・割合)に穴がないことを先に確かめるほうが、あとの学年で役に立つことが多いと考えています。
Q4. 学校の教科書が変わっても、この内容は同じですか?
各学年で学ぶ内容は学習指導要領で決まっているため、教科書会社が違っても大きな流れは同じです。単元の順番や細かい扱いは教科書によって違うことがあります。
Q5. 授業についていけているか、どう確認すればいい?
テストの点だけでなく、「今日の算数、何やった?教えて」と説明してもらう方法があります。説明できれば理解できていて、詰まるところがあれば、そこが確かめる場所です。
学年を自由に行き来して、戻る場所を確かめられます
学年を選んでドリルをやってみる →