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入学前の さんすう準備(数・かたち)

最終更新: 2026年7月13日|執筆・運営: 丹羽拓馬

🎒 「入学までに算数、何かやらせたほうがいい?」——年長さんの保護者から最も多い質問です。結論:ドリルより「遊びと生活の中の数体験」。このページでは、入学までに育てたい5つの力と、家庭でできる遊びを紹介します。

入学前の算数準備、どこまで必要?

まず安心していただきたいのは、小学1年生の算数は「数を数える」ところから始まるということ。たし算ができなくても、数字が書けなくても、授業はゼロから積み上げてくれます。

とはいえ、入学時点で「数に親しんでいる子」と「数にふれてこなかった子」では、最初のつまずきやすさが違うのも事実。目指したいのは、勉強としての先取りではなく、数・かたち・くらべっこが「楽しいもの」になっている状態です。

入学までに育てたい5つの力

①10まで数えられる(数唱と個数)

「いち、に、さん…」と唱えられること(数唱)と、実物を「1こ、2こ…」と数えて「ぜんぶで5こ」と言えること(個数の把握)は、実は別の力です。お菓子やおもちゃを指さしながら数える経験をたくさん積みましょう。慣れてきたら20まで、そして「5から先を続けて数える」「逆から数える(10、9、8…)」にも挑戦を。

②数字が読める

1〜10の数字を見て「なな!」と言えること。エレベーターのボタン、カレンダー、車のナンバーなど、生活は数字だらけです。「あの数字なんだ?」クイズで自然に覚えられます。書くのは入学後でOK。興味を持ったら書かせてあげる、で十分です。

③かたちの名前と特徴がわかる

まる・さんかく・しかくを見分けて名前が言えること。積み木・折り紙・型はめパズルが最高の教材です。「さんかくを2つ合わせたら、しかくになった!」のような発見は、そのまま図形感覚の土台になります。散歩中の「まるいもの探し」もおすすめです。

④くらべられる(大小・長短・多少)

「どっちが大きい?」「どっちが長い?」「どっちが多い?」に答えられること。1年生の算数は、実は「くらべる」活動がたくさん出てきます。コップのジュースの量くらべ、積み木の高さくらべ、家族の靴の大きさ並べ——遊びのネタは無限にあります。

⑤生活の中の数がわかる

「時計の7になったらおふろだよ」「お皿を3まい出して」のように、生活の指示に数が入っていること。時計は「何時」がなんとなくわかれば十分(分の読み方は1〜2年生で習います)。お手伝いは数の宝庫です。

遊びで伸ばす!家庭でできる さんすう遊び

遊び育つ力
お風呂で10まで数えてから上がる数唱(慣れたら20まで・逆から)
トランプの「神経衰弱」「ぶたのしっぽ」数字の読み・同じ数のマッチング
すごろく・ボードゲームサイコロの目を数える・コマを進める=数の対応
おやつの分配係「3人に2こずつ配って」個数の把握・等分の素地
積み木・ブロック・折り紙かたちの特徴・空間感覚
買い物で「りんご3つ取って」個数の把握・生活の中の数

💡 ポイントは「教えよう」としないこと。大人が楽しそうに数えたり、くらべたりする姿を見せるだけで、子どもは数遊びが好きになります。間違えても訂正しすぎず、「一緒に数えてみよう」で十分です。

ドリルより先に、会話の中で計算する

入学前にできる準備のうち、いちばん道具がいらないのが会話の中で数を扱うことです。プリントを1枚用意する手間もなく、生活のどの場面でも出せます。しかも答え合わせは、時計やレジや目の前のおやつがしてくれます。

ポイントは、算数の時間を作らないことです。「さあ問題です」ではなく、本当に知りたいことをそのまま聞く。子どもにとっては勉強ではなく会話なので、身構えません。

場面聞いてみることつながる単元
出かける前あと何分でできる?あと何時間?時こくと時間
買い物のレジ1000円出すとおつりはいくら?ひき算
おやつを配る4人で分けると1人いくつ?わり算(等分除)
同上・条件つきパパは1個でいいから、残りを分けると?2段階の文章題

答えられないときに教え込む必要はありません。「一緒に数えてみようか」で十分です。正解することより、聞かれたら考える癖がつくことが、この時期のねらいです。

🏠 続けるためのコツ

1日1問で十分です。思い出したときに1つ聞くくらいが、いちばん長続きします。

答えを待ってあげてください。数秒の沈黙で親が答えを言ってしまうと、次から考えなくなります。

間違えても訂正しないでかまいません。時計を見る、レジの表示を見る、実際に配る——事実のほうが先に教えてくれます。

にじゅうまる。家庭実践メモ

幼稚園のころから、会話の中で計算をやるようにしていました。「あと何分でできる?」「あと何時間でできる?」、買い物中は「1000円出すとお釣りはいくら?」、慣れてきたら「950円のときに1050円出したらお釣りはいくら?」「小銭を少なくするにはどうしたらいい?」。

分けるときも同じで、「4人家族で分けると1人どれだけ?」「10個だと何個になる?」「パパは1個でいいから、残りを分けると1人何個?」と聞いていました。

ちょっと先取りするなら「いくつといくつ」

もし少し先の準備をしたいなら、計算の練習よりも「数の分解」=いくつといくつの遊びがおすすめです。

遊び方:おはじき5こを両手に分けて隠し、片手を開いて「こっちは2こ。もう片方はいくつだ?」

ねらい:「5は2と3」「10は6と4」という数の分解は、1年生の山場「くり上がり・くり下がり」の直接の土台になります。

1年生の算数でつまずきが起きやすいのは、実は入学直後ではなく、秋以降の「くり上がりのあるたし算」。ここで必要になるのが10の分解(10は7と3、など)です。年長のうちから「10づくり」遊び(トランプで合わせて10になるペア探しなど)に親しんでおくと、この山をスムーズに越えられます。

やりすぎ注意:先取り学習の落とし穴

一方で、入学前から長時間のドリル学習をさせるのはおすすめしません。理由は2つあります。

「うちの子はもう計算できるから大丈夫」という場合も、実物を数える・分ける・くらべる体験はたっぷりさせてあげてください。量感は後からでは補いにくい、いちばんの財産です。

入学後の学習にスムーズにつなげるには

入学すると、1年生は「なかまづくりと数」→「いくつといくつ」→「たし算・ひき算」→「くり上がり・くり下がり」と進みます。それぞれの内容と家庭でのフォローは小学1年生の算数ドリル1年生の算数攻略ガイドで解説しています。また、学習を毎日の習慣にするコツは勉強習慣のつくり方をご覧ください。

入学直前チェックリスト(ゆるくでOK)

年長の冬〜春に、遊びの中でさりげなく確認してみましょう。全部できなくても大丈夫。「まだのもの=これから遊びで伸ばすところ」くらいの気持ちで。

  1. 1から10まで声に出して数えられる
  2. おはじき7こを「1、2、…7。ぜんぶで7こ!」と数えられる
  3. 1〜10の数字を見て読める
  4. 「5と3、どっちが大きい?」に答えられる
  5. まる・さんかく・しかくを指させる
  6. 2本のえんぴつの「長い方」を選べる
  7. ジュースの「多い方」を選べる
  8. 「前から3番目」がわかる(順番の数)
  9. お菓子を2人に同じ数ずつ分けられる
  10. 時計を見て「7時だね」がなんとなくわかる

8番の「前から3番目」のような順番を表す数(順序数)は見落とされがちですが、1年生の最初の単元に登場します。お風呂の順番、列に並ぶときなど、生活の中で使ってみてください。

よくある質問

Q1. 入学前に算数の勉強は必要?

机上の勉強は必須ではありません。10まで数える・かたちがわかる・くらべられる、が遊びの中でできていれば十分です。

Q2. たし算まで先取りするべき?

必須ではありません。先取りするなら計算より「いくつといくつ」(数の分解)の遊びが、後のくり上がり学習に効きます。

Q3. 数字を書く練習はいつから?

興味を持ったときからでOK。書きより先に「声に出して数える」経験を優先しましょう。

Q4. アプリやデジタルドリルを使ってもいい?

1回5分など時間を決めて、大人が隣で見守りながらなら有効です。実物での数体験とバランスよく。

まとめ

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