% 「割合」は5年生でつまずきやすい単元です。つまずきの原因として多いのが、「もとにする量」を見失うこと。このページでは、線分図とテープ図、そしてスーパーの値引きシールのような買い物の例で、「もと」を目に見える形にしながら進めます。
割合とは?——「もとにする量を1とみたとき、いくつ分か」
例題1:20人のクラスで、メガネの人は8人。メガネの人の割合は?
解き方:もとにする量=クラス全体20人、くらべる量=8人。8÷20=0.4(=40%)
割合は「20人を1とみると、8人は0.4にあたる」という関係を表す数です。りんご3個のような「目に見える量」ではないので、イメージできないのが難しさの正体。だからこそ、線分図で見えるようにするのが攻略の第一歩です。
💡 線分図のかき方:1本の線を引き、左端に0、右端に「もとにする量=20人=1(100%)」と書く。くらべる量8人はその途中に。「もとが1」を毎回図に書くことで、関係が目に見えます。
「もとにする量」の見つけ方
割合の式が立てられないときは、「どっちがもとか」で迷っていることがよくあります。見つけ方の目安は1つです。
- 「クラスの40%」→ もとはクラス
- 「定価の30%引き」→ もとは定価
- 「昨年の1.2倍」→ もとは昨年
問題文の「の」に○をつけて、その直前の量を線分図の右端(=1)に書く。この作業を毎回くり返すと、もとを取り違える誤答を減らしやすくなります。
%の量感を育てる——身のまわりを0〜100で言ってみる
%の計算でつまずく前に、そもそも「40%ってどれくらい?」という感覚がない子がいます。これは計算練習では育ちません。育つのは、身のまわりのものを0〜100の目もりにのせて言葉にしたときです。
やり方は簡単で、答えのない質問をするだけです。「いま、おなかの空きぐあいは何%? 0%がぺこぺこ、100%が満腹ね」——この一問で、0と100の両端がどこかが決まり、そのあいだのどこにいるかを自分で決めることになります。これが割合の「もとにする量を1(100%)とみる」考え方そのものです。
月も使えます。「満月を100%とすると、今日の月は何%?」「満月から何%足りない?」。半月なら50%、三日月なら20%くらい。ぴったり合っている必要はありません。「100%から今の分を引くと、足りない分」という補い合いの関係が、目で見えるのがこの題材の良いところです。
正解を用意しないでください。「40%くらいかな」と言われて「本当は35%」と返す必要はありません。数字を出すこと自体が練習です。
大人も自分の数字を言ってください。「お母さんは70%かな」と言うと、子どもは自分の数字と比べ始めます。比べるとものさしの感覚が細かくなります。
月を見て「満月から何%少ない?」と聞いていました。あわせて、食事の前に「お腹の空き具合は何%? 0%ぺこぺこ、100%満腹で」と聞くようにしています。
百分率(%)・歩合との変換
割合は3つの表し方があり、自由に行き来できることが必要です。
| 小数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|
| 1 | 100% | 10割 |
| 0.4 | 40% | 4割 |
| 0.25 | 25% | 2割5分 |
| 0.07 | 7% | 7分 |
| 0.32 | 32% | 3割2分(野球の打率でおなじみ) |
%→小数は÷100、小数→%は×100。計算に使うときは必ず小数(0.4)に直してから使います。「40%をそのまま×40してしまう」誤答がよく見られるので、「式に入れる前に小数にする」を手順にしておきます。歩合は野球の打率(3割2分=0.32)が身近な例です。
3つの求め方(割合の3用法)
割合の問題は、何を聞かれているかで3パターンに分かれます。線分図をかけば、どれもかけ算・わり算の関係で整理できます。
| 聞かれるもの | 式 | 例 |
|---|---|---|
| 割合 | くらべる量÷もとにする量 | 8÷20=0.4 |
| くらべる量 | もとにする量×割合 | 20×0.4=8 |
| もとにする量 | くらべる量÷割合 | 8÷0.4=20 |
例題2(くらべる量):500円のおこづかいの60%を使った。使ったのは何円?
解き方:もと=500円、割合=0.6。500×0.6=300円
例題3(もとにする量):ある学校の女子は120人で、全体の40%にあたる。全体は何人?
解き方:もと(全体)=?、くらべる量=120人、割合=0.4。120÷0.4=300人
検算:300×0.4=120 ✓。「もとを求めるときは÷割合」は、3つの中で迷いやすいところです。
公式を3つ暗記させるより、「もと×割合=くらべる量」の1本を線分図とセットで固め、残り2つは逆算(□を求めるわり算)として導く方が、忘れにくく応用も利きます。
「1をこえる割合」もある(120%・1.5倍)
割合は1(100%)をこえることもあります。「昨年120人だった部員が、今年は昨年の150%」なら、120×1.5=180人。「割合が1より大きい=もとより増えている」という感覚を持てると、答えの見当がすぐ立ちます。ニュースの「前年比130%」「1.2倍に増加」はすべてこの形。「もとはどれ?増えてる?減ってる?」と会話するだけで、立派な割合の学習になります。
買い物で考える:「30%引き」をテープ図で
例題4:定価800円の品物が30%引き。代金は?
方法①:引く分=800×0.3=240円 → 800−240=560円
方法②:30%引き=残り70% → 800×0.7=560円(1回の計算で済む!)
方法②の「残りの割合でかける」考え方は、慣れると速く、間違いが少なくなる場合があります。「消費税10%を足す=×1.1」も同じ発想。スーパーの値引きシールは、この単元の身近な教材になります。買い物のたびに「これ、いくらになる?」と聞いてみてください。
円グラフ・帯グラフとの合わせ技
5年生では、割合を円グラフ・帯グラフで表す学習もセットで行います。「全体=100%」を円や帯の長さで表し、各部分の割合を面積・長さで見る——割合が「目に見える」瞬間です。
例題5:クラス40人の通学方法は、徒歩60%、自転車30%、その他10%。自転車の人は何人?
解き方:もと=40人、割合=0.3。40×0.3=12人。グラフの読み取りと3つの求め方を組み合わせた問題は、テストでもよく出ます。
新聞やニュースの円グラフを見ながら「これ、実際は何人くらい?」と逆算してみるのも、良い練習になります。グラフの読み取りは6年生のデータの活用へ、そして中学の資料の活用へつながります。
家庭でためす例題
答えは折りたたんであります。解いたあとに、線分図かテープ図をかいて確かめてみてください。
- 30人のクラスで、自転車通学は12人。自転車通学の人の割合は?(小数と%で)
答えと考え方
0.4、40%。もと=クラス全体30人、くらべる量=12人。12÷30=0.4、0.4×100=40%。
- 1200円の25%は何円?
答えと考え方
300円。25%=0.25。1200×0.25=300。テープを4つに分けた1つ分とも考えられる。
- 定価2000円のくつが20%引き。代金は?
答えと考え方
1600円。20%引き=残り80%。2000×0.8=1600。
- ある本の45ページを読みました。これは全体の30%にあたります。本は全部で何ページ?
答えと考え方
150ページ。もとを求めるので 45÷0.3=150。検算 150×0.3=45。10%が15ページ、100%が150ページ、とテープで考えてもよい。
- 去年80人だった参加者が、今年は去年の125%になりました。今年は何人?
答えと考え方
100人。125%=1.25。80×1.25=100。1より大きい割合なので、もとより増える。
- 0.07 を百分率と歩合で
答えと考え方
7%、7分。小数→%は×100。歩合は 0.1=1割、0.01=1分。
よくある誤答例と、家庭での直し方
何が起きたか:%をそのまま数として計算に入れています。答えがもとの500円よりずっと大きくなっても、おかしさに気づけていません。
家庭での直し方:式に入れる前に「40%=0.4」と小数にする手順にします。「40%は半分より少し少ない」と見当を立てておくと、20000円の不自然さに気づけます。正しくは 500×0.4=200円。
何が起きたか:もとにする量(全体)を求める問題なのに、くらべる量を求めるときの式(もと×割合)を使っています。全体が女子より少なくなっています。
家庭での直し方:テープ図の右端に「全体=?」と書き、40%が120人と書き込みます。1マス10%が30人なので、全体は300人。式は 120÷0.4。答えが「もとより大きい?小さい?」を先に確かめます。
何が起きたか:値引きの額(800×0.3)を代金として答えています。問題が「引いたあとの代金」を聞いていることを読み落としています。
家庭での直し方:テープ図で、値引き分と払う分を色分けします。聞かれているのがどちらの部分かに○をつけてから式を立てます。代金は 800×0.7=560円。
何が起きたか:もとにする量とくらべる量を逆にしてわっています。割合が1より大きくなり、「全員より多い」ことになっています。
家庭での直し方:「の」の直前(20人のクラス)がもと。線分図の右端に20人=1と書き、8人はその途中に置きます。割合は 8÷20=0.4。一部分の割合なら1より小さくなるはず、と見当を立てます。
つまずき対策のまとめ
| つまずき | 対策 |
|---|---|
| もとにする量がわからない | 「の」の直前に○。線分図の右端(=1)に書く |
| %のまま計算してしまう | 式に入れる前に必ず小数化(÷100) |
| かけるかわるかで迷う | 「もと×割合=くらべる量」の1本から逆算で導く |
| 答えのおかしさに気づかない | 「もとより大きい?小さい?」の見当を先に立てる(0.4倍なら必ず小さくなる) |
なお、割合の土台は小数のかけ算・わり算です。そこが不安なら小数の教え方ガイドで先に固めましょう。割合は同じ5年生の「速さ」(単位量あたり)や、中学の関数・確率にもつながる単元です。
割合の理解度チェック表
| チェック項目 | できる | 少し迷う | まだ難しい |
|---|---|---|---|
| 問題文から「もとにする量」を見つけられる | |||
| %を小数に直してから式に入れている | |||
| 線分図をかいてから解いている | |||
| 「もと×割合=くらべる量」が言える | |||
| 0.4倍なら答えが小さくなると見当がつく | |||
| 30%引きを×0.7と考えられる |
「まだ難しい」が付いた行が、いま取り組む場所です。上から順にひとつずつで十分です。
確認日: 2026年9月27日。学習指導要領では、第5学年で「ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係とを比べる場合に割合を用いる場合があること」と百分率を扱います。割合は4年生の「簡単な割合」(何倍かで比べる)から続く内容なので、家庭で5年生の割合につまずいたときは、まず「何倍か」で比べる4年生の見方に戻れるかを確かめる手がかりとして使えます。線分図・テープ図の使い方と誤答例は、にじゅうまる。運営者による整理です。
よくある質問
Q1. 割合の公式は?
割合=くらべる量÷もとにする量。「の」の直前が「もと」です。
Q2. 30%引きはどう計算する?
引く分を計算して引く方法と、残り70%をかける方法(800×0.7)があります。後者が速くておすすめです。
Q3. %と小数の変換は?
%→小数は÷100(40%=0.4)、小数→%は×100です。計算には小数を使います。
Q4. なぜ割合はこんなに難しい?
目に見えない「関係の数」だからです。線分図で「もと=1」を見える化するのが試しやすい対策です。
Q5. 消費税の計算はどうやりますか?
税率10%なら「税込=本体×1.1」です。本体1200円なら1200×1.1=1320円。「もとの100%に10%を足すから110%=×1.1」という考え方は、値引き(×0.7)と同じ「残り・合計の割合でかける」方式です。レシートを見ながら親子で確かめると、割合が一気に身近になります。
まとめ
割合はつまずきやすい単元ですが、「もとにする量の特定」と「線分図・テープ図」の2つがそろうと、ぐっと解きやすくなります。買い物・打率・消費税と、生活のあらゆる場面が練習台になる単元でもあります。焦らず1問ずつ、図をかきながら進めましょう。
- 割合=くらべる量÷もとにする量。「もと」は「の」の直前
- 線分図で「もと=1(100%)」を毎回見える化する
- %は小数に直してから計算。×100・÷100を正確に
- 「30%引き=×0.7」の残り割合方式が実戦向き
学年を選んで、その場で採点しながら練習できます
5年生の割合ドリルをやってみる →