にじゅうまるドリルにじゅうまるドリル

わり算の教え方:筆算を1工程ずつ分解する

最終更新: 2026年9月27日|執筆・運営: 丹羽拓馬

➗ わり算は「九九の逆」。わり算でつまずく原因の一つに、九九が十分に定着していないことがあります。また、「分ける」という意味の理解や、筆算の手順で迷う場合もあります。このページでは、わり算を3つの要素に分け、筆算を1工程ずつ図で分解しました。誤答がどこで起きているかを見分ける例もあります。

わり算は3つの要素でできている

わり算でつまずく原因の一つに、九九が十分に定着していないことがあります。また、「分ける」という意味の理解や、筆算の手順で迷う場合もあります。誤答が出たときは、3つのうちどこで止まっているかを切り分けると、戻る場所が決まります。

① 九九 12 ÷ 3 = □ 3 × □ = 12 の□をさがす ② 意味 等しく分ける (1人分はいくつ) 同じ数ずつ取る (いくつ分とれる) ③ 手順 たてる かける ひく おろす 誤答が出たら、3つのどれで止まっているかを見る
図:わり算は「九九」「意味」「筆算の手順」の3つで成り立つ。つまずいたら、どこで止まっているかを切り分ける

要素②:わり算の2つの意味

意味場面の例聞かれていること
等しく分ける(等分除)12このあめを3人で同じ数ずつ分ける1人分は何こ?→4こ
同じ数ずつ取る(包含除)12このあめを3こずつふくろに入れる何ふくろできる?→4ふくろ

どちらも式は12÷3=4ですが、場面がちがいます。おやつやおはじきで両方の分け方を実際にやってみるのは、導入として試しやすい方法です。答えに「こ」がつくか「ふくろ」がつくかで、どちらの意味かを確かめられます。

要素①:計算は「九九の逆」

12 ÷ 3 = □ は、 3 × □ = 12 の □ を探すこと

3年生のわり算は、新しい計算方法を覚えるのではなく「3の段で12になるのは?」と九九を逆から使う計算です。わり算に時間がかかる場合は、わり算の練習より九九の総点検から始めてみてください。特に6〜8の段のわり算(42÷7など)に時間がかかるときは、その段の九九に戻ります。

あまりのあるわり算(3年生)

例題:17÷5

5の段で17をこえない一番大きい数 → 5×3=15。17−15=2 → 3あまり2

17÷5で商3あまり2になる仕組みの図 17個を5個ずつ分けると3グループできて2個余ることを示し、あまりはわる数より小さくなることを表しています。 17 ÷ 5 = 3 あまり 2 17個を、5個ずつのグループに分けていく 5個で1グループ 5個で1グループ 5個で1グループ 5個に足りない → 3グループ(商=3) → 2個のこり(あまり=2) あまりは、わる数(5)より小さくなる 「あまり5」や「あまり7」が出たら、まだ分けられる証拠
図:17÷5=3あまり2。1行が1グループ(5個)です。あまりが5以上になったら、まだグループを作れるということ。検算は「5×3+2=17」。
  1. あまりは、わる数より必ず小さい——あまりがわる数以上なら、もう1回分けられる
  2. 検算:わる数×商+あまり=わられる数——5×3+2=17 ✓

文章題では「あまりをどうするか」も問われます。「13人が4人乗りの車で行く→車は何台?」は3あまり1だから4台。あまった1人を乗せる車が必要だからです(切り上げ・切り捨て)。

要素③:筆算を1工程ずつ分解する(4年生)

わり算の筆算は、算数で初めての「長い手順の繰り返し」です。まとめて覚えようとせず、たてる→かける→ひく→おろすの4工程に分けて、1工程ずつ確かめます。

① たてる37227÷3 → 十の位に2② かける372263×2=6 を7の下に③ ひく3722617−6=1④ おろす37226122をおろして12
図:72÷3の1周目を4つの工程に分けたもの。2周目も同じ4工程(12÷3で4をたてる→3×4=12→12−12=0→おろす数なし)で、答えは24
工程72÷3 の1周目家庭での確かめ方
① たてる7÷3 → 十の位に2「7の中に3はいくつ?」と聞く
② かける3×2=6たてた数とわる数をかけたか
③ ひく7−6=1ひいた答えが、わる数より小さいか
④ おろす2をおろして12おろしたら①に戻る

③で「ひいた答えがわる数より小さいか」を確かめるのがポイントです。小さくなければ、①でたてた数が小さすぎます。4工程は、けたが増えても変わりません。声に出して繰り返すのは、手順を身につける方法の一つです。

÷2けたの「商の見当」

91÷23のような÷2けたでは、わる数をがい数にして見当をたてます。「23はだいたい20。91の中に20は4つくらい」→4をたてて確かめる(23×4=92は91より大きいので、3に直す)。見当がはずれて直すのは失敗ではなく正しい手順だと伝え、消して直すことを嫌がらないようにします。

商に0がたつ筆算(4年生)

1 0 4 6 624 6 24 24 0 2÷6 はわれない → 0 をたてる (飛ばすと「14」になる) 先に答えの見当 600 ÷ 6 = 100 くらい → 答えは3けたのはず
図:624÷6。十の位は2÷6がわれないので、商に0を書いてから2をおろす。見当(100くらい)と比べると、「14」はけたが足りないとわかる

「104」と書くべきところを「14」としてしまうのは、商の途中に0がたつ筆算でよく見られる誤答です。「われないときは0を書く。飛ばさない」をルールにし、答えのけた数を先に見当しておくと、自分で気づけるようになります。

わり算のきまりと、高学年への接続

家庭でためす例題

  1. 12このあめを3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何こ?
    答えと考え方

    4こ。「等しく分ける」場面。3×□=12 の□をさがして 12÷3=4。

  2. 12このあめを3こずつふくろに入れます。何ふくろできる?
    答えと考え方

    4ふくろ。「同じ数ずつ取る」場面。式は同じ 12÷3=4 だが、答えの単位がちがう。

  3. 42÷7
    答えと考え方

    6。7の段で42になるのは 7×6=42。

  4. 17÷5
    答えと考え方

    3あまり2。5×3=15、17−15=2。あまり2はわる数5より小さい。検算 5×3+2=17。

  5. 72÷3(筆算)
    答えと考え方

    24。7÷3で2をたてる→3×2=6→7−6=1→2をおろして12→12÷3で4をたてる→3×4=12→12−12=0。

  6. 624÷6(筆算)
    答えと考え方

    104。6÷6で1、2÷6はわれないので0をたてて2をおろし、24÷6で4。見当は600÷6=100くらい。

  7. 13人が4人乗りの車で出かけます。車は何台いりますか。
    答えと考え方

    4台。13÷4=3あまり1。あまった1人も乗せる車が必要なので、3+1=4台。

よくある誤答例と、家庭での直し方

誤答がどの要素(九九・意味・手順)で起きているかを見ると、直し方が決まります。

誤答例142÷7=5

何が起きたか:7の段の九九が逆から出てこず、近い数で答えています。わり算そのものより、九九の段階で止まっています。

家庭での直し方:わり算の練習をいったん止めて、7の段をランダムに聞く練習に戻ります。「7×□=42」の□をさがす形で聞くと、わり算とつながります。

誤答例217÷5=2あまり7

何が起きたか:5×2=10、17−10=7と計算しています。あまり7は、わる数5より大きいので、まだもう1回分けられます。

家庭での直し方:「あまりは、わる数より小さい」を毎回チェックします。17このおはじきを5こずつ並べると、3列できて2こ残ることが目で見えます。検算 5×3+2=17。

誤答例372÷3=2あまり12(筆算)

何が起きたか:1周目の「たてる・かける・ひく」までで止まり、「おろす」のあとの2周目をしていません。手順の4工程が1周で終わると思っています。

家庭での直し方:おろしたら、また「たてる」に戻る、と声に出して2周目に入ります。答えの見当(60÷3=20くらい)と比べると、2は小さすぎるとわかります。

誤答例4624÷6=14

何が起きたか:十の位で2÷6がわれないとき、商に0を書かずに飛ばしています。

家庭での直し方:「われないときは0を書く。飛ばさない」をルールにします。先に見当(600÷6=100くらい)を立てて、答えが3けたになるはずだと確かめます。

誤答例5「24こを1人に4こずつ配る。何人?」→ 24÷4=6こ

何が起きたか:計算は合っていますが、単位を「こ」にしています。「同じ数ずつ取る」場面で、答えが「人数」になることがつながっていません。

家庭での直し方:答えの6に何がつくかを声に出して確かめます。1人分の数を聞いているのか(こ)、人数を聞いているのか(人)を、問題文に線を引いて見分けます。

家庭でできる練習メニュー

止まっている要素メニュー(1日5分ほど)
① 九九九九のランダム練習に戻る(特に6〜8の段)
② 意味おやつの分配係。「3人で分けて」「3こずつ袋に入れて」の両方
あまり「あまり<わる数」チェックと検算をセットで3問
③ 手順4工程を声に出して1日2問。③で「わる数より小さいか」を確かめる
🏠 食卓は、等分除がそのまま出てくる場所

おやつや料理を分ける場面は、わり算の「等分除(1人分を求める)」そのものです。「4人家族だから、1人どれだけ?」と聞くだけで、式を書かなくても意味の理解が進みます。

数を変えるとあまりの話にもつながります。8個なら1人2個でぴったり。10個だと1人2個であまり2個——この「あまった分をどうする?」が、3年生で習うあまりのあるわり算の入り口になります。

幼児期は式にしなくてかまいません。実際に配らせて「同じ数ずつになった?」を確かめるほうが、意味が体に残ります。

にじゅうまる。家庭実践メモ

幼稚園のころから、家で物を分けるときに「4人家族だから1人どれだけになる?」「10個だと何個ずつ?」と聞くようにしていました。

✏️ わり算を、その場で採点しながら練習する

3年生のドリルではあまりのあるわり算、4年生のドリルでは筆算を含む問題が出ます。誤答が出たら、上の3要素のどこかを確かめてから次に進んでください。

3年生のドリルを開く →
📚 参考資料と、家庭での使い方

確認日: 2026年9月27日。学習指導要領では、第3学年で除法の意味(等分除・包含除にあたる2つの場面)と、除法が乗法の逆算であること、あまりのある除法を扱い、第4学年で除数が1位数や2位数の除法の筆算を扱います。家庭では「九九(乗法の逆)」「意味(2つの場面)」「手順(筆算)」の3要素に分けて、どこで止まっているかを確かめる手がかりとして使えます。工程の分解図と誤答例は、にじゅうまる。運営者による整理です。

まとめ

よくある質問

Q1. わり算の教え方の基本は?

わり算は「九九(かけ算の逆)」「意味(等しく分ける・同じ数ずつ取る)」「筆算の手順」の3つで成り立ちます。実物で分ける体験をしてから、計算は九九を逆から使う、と進めます。誤答が出たら、3つのどこで止まっているかを確かめます。

Q2. あまりのあるわり算で気をつけることは?

「あまりは、わる数より必ず小さい」を毎回チェックすることです。17÷5=2あまり7のような誤答は、あまり(7)がわる数(5)より大きい時点で気づけます。検算(わる数×商+あまり=わられる数)も習慣にしましょう。

Q3. わり算の筆算の手順を教えてください。

「たてる→かける→ひく→おろす」の4工程の繰り返しです。おろしたら、また「たてる」に戻ります。ひいた答えがわる数より小さいかを確かめると、たてた数の誤りに気づけます。

Q4. 624÷6を14と答えてしまいます。

十の位で2÷6がわれないとき、商に0を書かずに飛ばしている誤答です。「われないときは0を書く」をルールにし、先に答えの見当(600÷6=100くらい)を立てると気づきやすくなります。

Q5. わり算は何年生で習いますか?

わり算の意味と九九で解ける計算、あまりのあるわり算は3年生、筆算は4年生、小数のわり算は5年生、分数のわり算は6年生で扱います。

📖 関連記事
✖️ かけ算の教え方:九九・筆算・家庭での記録 🧮 九九の覚え方ガイド 3️⃣ 3年生:九九からわり算へ 4️⃣ 4年生:筆算の手順とミス

学年を選んで、その場で採点しながら練習できます

4年生のわり算の筆算をやってみる →
にじゅうまるドリル
執筆・運営:丹羽拓馬
にじゅうまる。算数ドリル 運営者

子どもの算数のつまずきを家庭で解消したいという思いから、無料の算数ドリルと解説記事を個人で制作・運営しています。記事は文部科学省の学習指導要領を確認し、例題を検算したうえで公開しています。誤りや改善のご指摘はお問い合わせより歓迎します。運営者について詳しく →