➗ わり算は「九九の逆」。わり算でつまずく原因の一つに、九九が十分に定着していないことがあります。また、「分ける」という意味の理解や、筆算の手順で迷う場合もあります。このページでは、わり算を3つの要素に分け、筆算を1工程ずつ図で分解しました。誤答がどこで起きているかを見分ける例もあります。
わり算は3つの要素でできている
わり算でつまずく原因の一つに、九九が十分に定着していないことがあります。また、「分ける」という意味の理解や、筆算の手順で迷う場合もあります。誤答が出たときは、3つのうちどこで止まっているかを切り分けると、戻る場所が決まります。
要素②:わり算の2つの意味
| 意味 | 場面の例 | 聞かれていること |
|---|---|---|
| 等しく分ける(等分除) | 12このあめを3人で同じ数ずつ分ける | 1人分は何こ?→4こ |
| 同じ数ずつ取る(包含除) | 12このあめを3こずつふくろに入れる | 何ふくろできる?→4ふくろ |
どちらも式は12÷3=4ですが、場面がちがいます。おやつやおはじきで両方の分け方を実際にやってみるのは、導入として試しやすい方法です。答えに「こ」がつくか「ふくろ」がつくかで、どちらの意味かを確かめられます。
要素①:計算は「九九の逆」
3年生のわり算は、新しい計算方法を覚えるのではなく「3の段で12になるのは?」と九九を逆から使う計算です。わり算に時間がかかる場合は、わり算の練習より九九の総点検から始めてみてください。特に6〜8の段のわり算(42÷7など)に時間がかかるときは、その段の九九に戻ります。
あまりのあるわり算(3年生)
例題:17÷5
5の段で17をこえない一番大きい数 → 5×3=15。17−15=2 → 3あまり2
- あまりは、わる数より必ず小さい——あまりがわる数以上なら、もう1回分けられる
- 検算:わる数×商+あまり=わられる数——5×3+2=17 ✓
文章題では「あまりをどうするか」も問われます。「13人が4人乗りの車で行く→車は何台?」は3あまり1だから4台。あまった1人を乗せる車が必要だからです(切り上げ・切り捨て)。
要素③:筆算を1工程ずつ分解する(4年生)
わり算の筆算は、算数で初めての「長い手順の繰り返し」です。まとめて覚えようとせず、たてる→かける→ひく→おろすの4工程に分けて、1工程ずつ確かめます。
| 工程 | 72÷3 の1周目 | 家庭での確かめ方 |
|---|---|---|
| ① たてる | 7÷3 → 十の位に2 | 「7の中に3はいくつ?」と聞く |
| ② かける | 3×2=6 | たてた数とわる数をかけたか |
| ③ ひく | 7−6=1 | ひいた答えが、わる数より小さいか |
| ④ おろす | 2をおろして12 | おろしたら①に戻る |
③で「ひいた答えがわる数より小さいか」を確かめるのがポイントです。小さくなければ、①でたてた数が小さすぎます。4工程は、けたが増えても変わりません。声に出して繰り返すのは、手順を身につける方法の一つです。
÷2けたの「商の見当」
91÷23のような÷2けたでは、わる数をがい数にして見当をたてます。「23はだいたい20。91の中に20は4つくらい」→4をたてて確かめる(23×4=92は91より大きいので、3に直す)。見当がはずれて直すのは失敗ではなく正しい手順だと伝え、消して直すことを嫌がらないようにします。
商に0がたつ筆算(4年生)
「104」と書くべきところを「14」としてしまうのは、商の途中に0がたつ筆算でよく見られる誤答です。「われないときは0を書く。飛ばさない」をルールにし、答えのけた数を先に見当しておくと、自分で気づけるようになります。
わり算のきまりと、高学年への接続
- 0÷どんな数=0。ただし0でわることはできない
- わられる数とわる数に同じ数をかけても(わっても)商は同じ:600÷200=6÷2=3——5年生の小数のわり算(7.2÷2.4→72÷24)の根拠になる
- 単位量あたり(5年):「3mで240円のリボン、1mあたり何円?」→240÷3=80円
- 分数のわり算(6年):わる数の逆数をかける(2/3÷4/5=2/3×5/4)
家庭でためす例題
- 12このあめを3人で同じ数ずつ分けます。1人分は何こ?
答えと考え方
4こ。「等しく分ける」場面。3×□=12 の□をさがして 12÷3=4。
- 12このあめを3こずつふくろに入れます。何ふくろできる?
答えと考え方
4ふくろ。「同じ数ずつ取る」場面。式は同じ 12÷3=4 だが、答えの単位がちがう。
- 42÷7
答えと考え方
6。7の段で42になるのは 7×6=42。
- 17÷5
答えと考え方
3あまり2。5×3=15、17−15=2。あまり2はわる数5より小さい。検算 5×3+2=17。
- 72÷3(筆算)
答えと考え方
24。7÷3で2をたてる→3×2=6→7−6=1→2をおろして12→12÷3で4をたてる→3×4=12→12−12=0。
- 624÷6(筆算)
答えと考え方
104。6÷6で1、2÷6はわれないので0をたてて2をおろし、24÷6で4。見当は600÷6=100くらい。
- 13人が4人乗りの車で出かけます。車は何台いりますか。
答えと考え方
4台。13÷4=3あまり1。あまった1人も乗せる車が必要なので、3+1=4台。
よくある誤答例と、家庭での直し方
誤答がどの要素(九九・意味・手順)で起きているかを見ると、直し方が決まります。
何が起きたか:7の段の九九が逆から出てこず、近い数で答えています。わり算そのものより、九九の段階で止まっています。
家庭での直し方:わり算の練習をいったん止めて、7の段をランダムに聞く練習に戻ります。「7×□=42」の□をさがす形で聞くと、わり算とつながります。
何が起きたか:5×2=10、17−10=7と計算しています。あまり7は、わる数5より大きいので、まだもう1回分けられます。
家庭での直し方:「あまりは、わる数より小さい」を毎回チェックします。17このおはじきを5こずつ並べると、3列できて2こ残ることが目で見えます。検算 5×3+2=17。
何が起きたか:1周目の「たてる・かける・ひく」までで止まり、「おろす」のあとの2周目をしていません。手順の4工程が1周で終わると思っています。
家庭での直し方:おろしたら、また「たてる」に戻る、と声に出して2周目に入ります。答えの見当(60÷3=20くらい)と比べると、2は小さすぎるとわかります。
何が起きたか:十の位で2÷6がわれないとき、商に0を書かずに飛ばしています。
家庭での直し方:「われないときは0を書く。飛ばさない」をルールにします。先に見当(600÷6=100くらい)を立てて、答えが3けたになるはずだと確かめます。
何が起きたか:計算は合っていますが、単位を「こ」にしています。「同じ数ずつ取る」場面で、答えが「人数」になることがつながっていません。
家庭での直し方:答えの6に何がつくかを声に出して確かめます。1人分の数を聞いているのか(こ)、人数を聞いているのか(人)を、問題文に線を引いて見分けます。
家庭でできる練習メニュー
| 止まっている要素 | メニュー(1日5分ほど) |
|---|---|
| ① 九九 | 九九のランダム練習に戻る(特に6〜8の段) |
| ② 意味 | おやつの分配係。「3人で分けて」「3こずつ袋に入れて」の両方 |
| あまり | 「あまり<わる数」チェックと検算をセットで3問 |
| ③ 手順 | 4工程を声に出して1日2問。③で「わる数より小さいか」を確かめる |
おやつや料理を分ける場面は、わり算の「等分除(1人分を求める)」そのものです。「4人家族だから、1人どれだけ?」と聞くだけで、式を書かなくても意味の理解が進みます。
数を変えるとあまりの話にもつながります。8個なら1人2個でぴったり。10個だと1人2個であまり2個——この「あまった分をどうする?」が、3年生で習うあまりのあるわり算の入り口になります。
幼児期は式にしなくてかまいません。実際に配らせて「同じ数ずつになった?」を確かめるほうが、意味が体に残ります。
幼稚園のころから、家で物を分けるときに「4人家族だから1人どれだけになる?」「10個だと何個ずつ?」と聞くようにしていました。
3年生のドリルではあまりのあるわり算、4年生のドリルでは筆算を含む問題が出ます。誤答が出たら、上の3要素のどこかを確かめてから次に進んでください。
3年生のドリルを開く →確認日: 2026年9月27日。学習指導要領では、第3学年で除法の意味(等分除・包含除にあたる2つの場面)と、除法が乗法の逆算であること、あまりのある除法を扱い、第4学年で除数が1位数や2位数の除法の筆算を扱います。家庭では「九九(乗法の逆)」「意味(2つの場面)」「手順(筆算)」の3要素に分けて、どこで止まっているかを確かめる手がかりとして使えます。工程の分解図と誤答例は、にじゅうまる。運営者による整理です。
まとめ
- わり算は「九九・意味・手順」の3要素。誤答はどこで止まっているかを切り分ける
- 「等しく分ける」「同じ数ずつ取る」の2つの意味を実物で体験。答えの単位で見分ける
- あまりは「わる数より小さい」チェック+検算をセットで
- 筆算は4工程に分けて1つずつ。ひいた答えがわる数より小さいかを確かめる
- 商に0がたつときは飛ばさない。見当でけた数を確かめる
よくある質問
Q1. わり算の教え方の基本は?
わり算は「九九(かけ算の逆)」「意味(等しく分ける・同じ数ずつ取る)」「筆算の手順」の3つで成り立ちます。実物で分ける体験をしてから、計算は九九を逆から使う、と進めます。誤答が出たら、3つのどこで止まっているかを確かめます。
Q2. あまりのあるわり算で気をつけることは?
「あまりは、わる数より必ず小さい」を毎回チェックすることです。17÷5=2あまり7のような誤答は、あまり(7)がわる数(5)より大きい時点で気づけます。検算(わる数×商+あまり=わられる数)も習慣にしましょう。
Q3. わり算の筆算の手順を教えてください。
「たてる→かける→ひく→おろす」の4工程の繰り返しです。おろしたら、また「たてる」に戻ります。ひいた答えがわる数より小さいかを確かめると、たてた数の誤りに気づけます。
Q4. 624÷6を14と答えてしまいます。
十の位で2÷6がわれないとき、商に0を書かずに飛ばしている誤答です。「われないときは0を書く」をルールにし、先に答えの見当(600÷6=100くらい)を立てると気づきやすくなります。
Q5. わり算は何年生で習いますか?
わり算の意味と九九で解ける計算、あまりのあるわり算は3年生、筆算は4年生、小数のわり算は5年生、分数のわり算は6年生で扱います。
学年を選んで、その場で採点しながら練習できます
4年生のわり算の筆算をやってみる →