✖️ かけ算は2年生の九九から6年生の分数のかけ算まで、5年間かけて積み上がる大きな柱です。このページでは「意味→九九→筆算→暗算の工夫」の順に、つまずきやすい所と教え方を解説します。
かけ算の意味:「1つ分×いくつ分」
かけ算の学習で最初に大切なのは、九九の暗記より意味の理解です。かけ算は「1つ分の数 × いくつ分 = ぜんぶの数」を表します。
例:「1皿に3こずつ、4皿分」→ 3×4=12
「3こずつ」が1つ分、「4皿」がいくつ分。同じ数のまとまりが何セットあるか、を一発で計算するのがかけ算です。
この意味がしっかりしていると、3年生のわり算(かけ算の逆)、5年生の小数のかけ算、割合まで、すべての理解がスムーズになります。文章題で式の順序に迷ったら、図をかいて「1つ分はどっち?」を確かめさせましょう。
学年別ステップ
| 学年 | 学ぶ内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 2年生 | かけ算の意味・九九 | 意味→暗唱→ランダム即答 |
| 3年生 | 2桁×1桁・3桁×1桁の筆算、0のかけ算 | 九九×くり上がりの複合 |
| 3〜4年生 | 2桁×2桁・3桁×2桁の筆算 | 2段目の「ずらし」の意味 |
| 5年生 | 小数のかけ算 | 小数点の位置 |
| 6年生 | 分数のかけ算 | 分母どうし・分子どうし |
九九:暗記のコツは別記事で
九九の覚え方(覚える順番・7の段8の段の語呂合わせ・ゲーム練習法)は、九九の覚え方ガイドに詳しくまとめました。ここでは1つだけ強調します:九九のゴールは「言える」ではなく「ランダムに聞かれて2秒以内」。筆算では九九を順番どおりでなくバラバラに使うからです。
筆算①:2桁×1桁(3年生)
例題:23×4
①一の位:3×4=12 → 2を書いて1くり上げ
②十の位:2×4=8、くり上がりの1を足して9 → 答え92
筆算のかけ算は「九九」+「くり上がりのたし算」の複合技です。ミスの多くは、九九ではなく「くり上がりを足すとき」に起きます。間違えたら「九九のミス?足すときのミス?」を切り分けると、対策が絞れます。くり上がりの数字は小さくメモ書きさせましょう。
筆算②:2桁×2桁の「ずらし」の意味(3〜4年生)
2桁×2桁で必ず出る質問が「なんで2段目は左にずらすの?」。答えは、2段目が23×4ではなく23×40の計算だからです。40をかけた答えは必ず十の位以上になるので、十の位から書き始める——「ずらしている」のではなく「正しい位置に書いている」のです。
ここを「ルールだから」で流すと、ずらし忘れ・ずらしすぎのミスが続きます。一度、2段目に「23×40=920」と0まで書かせてみると、「0を省略して十の位から書いているだけ」と実感できます。
0のかけ算と、かけ算のきまり
- どんな数×0=0、0×どんな数=0——「3こ入りの袋が0袋なら、ぜんぶで0こ」
- 交換のきまり:3×4=4×3——順番を変えても答えは同じ
- 分配のきまり:23×4=(20+3)×4=20×4+3×4——筆算はこの仕組みで動いている
分配のきまりは、暗算の最強の武器にもなります。「102×6は?」→「100×6+2×6=612」。「98×5は?」→「100×5−2×5=490」。数を分けたりまとめたりして計算を楽にする体験は、中学の文字式・因数分解の素地になります。
暗算の工夫(できると楽しい!)
| 工夫 | 例 |
|---|---|
| ×10、×100はゼロをつける | 23×10=230 |
| ×5は「×10の半分」 | 24×5 → 240÷2=120 |
| キリのいい数に分ける | 102×6 → 600+12=612 |
| キリのいい数から引く | 99×7 → 700−7=693 |
暗算テクニックは「必須」ではありませんが、「計算って工夫できるんだ」という発見が、算数を作業から思考に変えてくれます。1つできたら家族に披露させてあげてください。得意げに説明することが最高の復習になります。
「倍」の意味もかけ算(3年生)
3年生では「2倍、3倍」という倍の意味もかけ算として学びます。「6cmのテープの3倍の長さは?」→6×3=18cm。ここでの「もとの量×倍」という見方は、5年生の割合(もとにする量×割合)へまっすぐつながる、実はとても重要な考え方です。
「兄は弟の2倍のあめを持っている。弟が4こなら兄は?」のように、何をもとにした倍なのかを意識させる声かけ(「誰の2倍?」)をしておくと、高学年での割合のつまずきを予防できます。
小数・分数のかけ算へ(5・6年生)
かけ算は高学年で2回、姿を変えます。
- 小数のかけ算(5年):2.3×1.5——整数として計算してから小数点を打つ。「×1より小さい数だと答えがもとより小さくなる」ことが最大の発想転換
- 分数のかけ算(6年):2/3×4/5——分母どうし・分子どうしをかける
どちらも計算手順は新しくなりますが、「1つ分×いくつ分」→「もとの量×倍」という意味の軸は同じです。2〜3年生のうちに意味と九九を固めることが、5年後の学習まで効く投資になります。小数のかけ算の詳細は小数の教え方ガイドをご覧ください。
家庭でできる練習メニュー
- 九九が不安:ランダム出題で2秒即答チェック(九九チャレンジの1分間モードが最適)
- 筆算練習中:1日3問を丁寧に。ミスの種類(九九?くり上がり?位置?)を記録
- 意味の確認:「このかけ算のお話を作って」と式→場面の逆方向クイズ
- 買い物で実践:「1こ98円を3こ買ったら?」——暗算の工夫の実践場
よくある質問
Q1. 筆算の2段目はなぜ左にずらすの?
十の位の数をかけた答え(23×40など)だから、十の位から書き始めています。0まで書かせると一発で納得します。
Q2. 九九はできるのに筆算で間違えます。
原因はくり上がりのたし算にあることが多いです。ミスの段階を切り分けて、そこだけ練習しましょう。
Q3. 3×4と4×3、どちらの式でもいい?
答えは同じですが、文章題では「1つ分×いくつ分」で場面を表せているかが大切です。図で1つ分を確かめる習慣を。
Q4. かけ算は何年生で習う?
九九は2年生、筆算は3〜4年生、小数のかけ算は5年生、分数のかけ算は6年生です。
Q5. 九九の表から何か学べますか?
九九の表は宝の山です。「3の段と4の段を足すと7の段になる」「表がななめの線で対称になっている(交換のきまり)」「9の段は答えの各位の和が必ず9」など、きまり探しの題材になります。2年生の後半に親子で表を眺めて発見を競うと、かけ算のきまりへの感覚が自然に育ちます。
まとめ
- かけ算の核は「1つ分×いくつ分」の意味理解。九九の暗記はその上に
- 筆算=九九+くり上がりのたし算。ミスの段階を切り分けて対策
- 2段目のずらしは「十の位×だから」。0まで書けば納得できる
- 分配のきまりで暗算の工夫を楽しむと、計算が思考に変わる
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