➖ 「13−8=2」「61−28=47」「1000−357=753」——ひき算の誤答には、はっきりした型があります。このページでは、ひき算でよく見られる誤答を、どこで・なぜ起きるかで6つに整理し、家庭での直し方をまとめました。くり下がり・筆算・0が並ぶ計算の図解と、例題もあります。
ひき算の学年別ステップ
| 学年 | 学ぶ内容 | 誤答が出やすいところ |
|---|---|---|
| 1年生 前半 | 10までのひき算(のこり・ちがい) | 「ちがい」をひき算と気づかない |
| 1年生 後半 | くり下がりのひき算(13−8など) | 10から引いたあと、残りを足し忘れる |
| 2年生 | 2けたの筆算(くり下がりあり) | 十の位を1減らし忘れる |
| 3年生 | 3けた・4けたの筆算、0が並ぶひき算 | 途中の0の処理 |
ひき算は、たし算と違って順番を入れかえられず、くり下がりの手順も長くなります。そのぶん、誤答にははっきりした「型」があります。このページでは、ひき算でよく見られる誤答を、どこで・なぜ起きるかで整理しました。誤答の型がわかれば、戻る場所が決まります。
誤答パターン早見表
| 誤答の例 | 型 | 戻る場所 |
|---|---|---|
| 13−8=2 | 残りの足し忘れ | 減加法の手順 |
| 61−28=47 | 大きい方から引く | くり下がりの意味 |
| 61−28=43 | 十の位の減らし忘れ | かりた印を書く |
| 1000−357=753 | 途中の0を10にする | 0が並ぶ筆算 |
| 「ちがいは?」で 8+5 | 演算の選びまちがい | ちがいの場面 |
| 「はじめは?」で 15+7 | 言葉につられる | テープ図 |
それぞれの詳しい説明と直し方は、下の「誤答パターン集」にまとめています。まずは各単元の考え方から見ていきます。
ひき算には2つの場面がある(1年生)
- のこりはいくつ(求残):「5こ食べたら、のこりは?」——減っていく場面
- ちがいはいくつ(求差):「赤8こと青5こ、ちがいは?」——比べる場面
「のこり」はイメージしやすい一方で、「ちがい」の場面をひき算だと理解するのは難しく、文章題の誤答の原因になりやすいところです。おはじきを2列に並べて1こずつペアを作り、「ペアになれなかった分がちがい」と見せると納得しやすくなります。
くり下がりは「減加法」で(1年生)
13−8のようなくり下がりのひき算は、「10から引いて、残りを足す」(減加法)が基本です。
例:13−8の解き方
①13を10と3に分ける → ②10−8=2(10から引く)→ ③2+3=5(残りを足す)
土台は2つあります。1つは「10からのひき算」(10−8=2など)に迷わず答えられること。ここに時間がかかると減加法全体が崩れやすいので、まず10−□だけを練習します。もう1つは、13を10と3に分ける数の分解。たし算のさくらんぼ計算(たし算の教え方)と同じ土台です。
13個のブロックを10と3に分けて置き、10のかたまりから8個取ってみせると、「3から8は引けない→10から引く」という流れが目で見てわかります。なお、「8を3と5に分けて、13−3=10、10−5=5」とする方法(減々法)もあります。どちらか1つの方法に絞って身につけるのがおすすめです。
筆算のくり下がり(2年生)
筆算の誤答を防ぐポイントは、かりた印を書くことです。十の位の数字を斜線で消して、1減らした数を上に書く——この作業を頭の中で済ませようとすると、十の位を減らし忘れやすくなります。
0が並ぶひき算(3年生)
1000−357のように0が並ぶと、くり下がりが千の位まで連鎖します。手順を声に出して確かめながら練習するのに加えて、「999から引けば、かりなくていい」という工夫も紹介できます。1000円を出して357円の買い物をしたときのお釣りと同じ計算なので、買い物ごっこで練習するのも一つの方法です。
誤答パターン集:6つの型と、家庭での直し方
誤答は「不注意」でまとめず、型として見ると直し方が決まります。お子さんの答えがどれに近いかを確かめてみてください。
何が起きたか:10−8=2 まで計算したところで止まり、13を分けたときの「3」を足し忘れています。減加法の手順の後半が抜けている状態です。
家庭での直し方:さくらんぼを書くときに、分けた3に○をつけて「あとで足す」と印をつけます。ブロックで、10のかたまりから8個取ったあと、横に残っている3個も一緒に数えさせます。
何が起きたか:一の位で 1−8 が引けないので、代わりに 8−1=7 と、大きい方から小さい方を引いています。「上から下を引く」という向きが崩れています。
家庭での直し方:一の位だけを取り出して「1こから8こは取れる?」と具体物で聞きます。取れないから十の位からかりる、という理由を先に確かめてから筆算に戻ります。正しくは11−8=3、5−2=3で33です。
何が起きたか:一の位は 11−8=3 と正しくかりていますが、十の位の6を5に書き直していないため、6−2=4 になっています。
家庭での直し方:かりたら必ず十の位の数を斜線で消して書き直す、を手順にします。書き直した数を指さしてから十の位を計算する、と決めておくと減らし忘れに気づけます。
何が起きたか:千の位からかりたとき、百の位と十の位の0を「10」にしてしまい、10−3=7、10−5=5 と計算しています。途中の位は、10になったあとさらに下の位に1を貸すので「9」になります。
家庭での直し方:0が並ぶ位には、上に「9」と書く手順を決めます。答えの見当(1000−350なら650くらい)を先に立てると、753の不自然さに自分で気づけます。999から引く工夫で答え合わせをするのも一つの方法です。
何が起きたか:数が2つ出てきたので、場面を考えずに足しています。「ちがい」がひき算になることが、まだつながっていません。
家庭での直し方:おはじきを2列に並べて1こずつペアを作り、ペアになれない分を数えます。式は 8−5=3。「ちがい」の問題は、並べる→ペアを作る→あまりを数える、の順で見る習慣をつけます。
何が起きたか:「もらった」「ぜんぶで」という増える言葉につられて、たし算を選んでいます。はじめの数を求めるので、実際はひき算です。
家庭での直し方:テープ図をかいて、全体が15、もらった分が7、はじめが□と書き込みます。□は全体から7を取った残りなので、15−7=8。キーワードではなく図で式を決めます(文章題の解き方)。
身につけたい習慣:たし算で検算する
ひき算は、「答え+引いた数=もとの数」で自分で確かめられます。
例:52−17=35 → 検算:35+17=52 ✓
上の誤答のうち、2〜4つめはこの検算で見つけられます。「ひき算はたし算の逆」という関係は、この先の「わり算はかけ算の逆」にもつながる見方です。
暗算の工夫(3年生〜)
- キリのいい数まで引く:63−8 → 63−3=60、60−5=55
- 引きすぎて戻す:52−19 → 52−20+1=33
- 同じ数を足して考える:83−48 → 85−50=35(両方に2を足しても差は同じ)
「同じ数を足しても差は変わらない」は、数直線で2つの数が同じだけ右に動いても、あいだの長さは変わらない、というイメージと一緒に見せるとわかりやすくなります。
家庭でためす例題
- 10−7
答えと考え方
3。10のわくに7こ並べると、空きが3つ。
- 13−8
答えと考え方
5。13を10と3に分けて、10−8=2、2+3=5。
- 15−9
答えと考え方
6。15を10と5に分けて、10−9=1、1+5=6。
- 52−17(筆算)
答えと考え方
35。一の位 2−7 は引けないので十の位からかりて 12−7=5、十の位は 5を4に書き直して 4−1=3。検算 35+17=52。
- 83−48(暗算)
答えと考え方
35。両方に2を足して 85−50=35。検算 35+48=83。
- 1000−357
答えと考え方
643。千の位から順にかりて、10−7=3、9−5=4、9−3=6。999−357=642、642+1=643 でも確かめられる。
- 赤いおはじきが9こ、青いおはじきが4こ。ちがいはいくつ?
答えと考え方
5こ。1こずつペアを作ると、ペアになれない赤が5こ。式 9−4=5。
- あめを7こもらったので、ぜんぶで15こになりました。はじめに何こ持っていましたか。
答えと考え方
8こ。全体15から、もらった7を取った残りがはじめの数。式 15−7=8。
家庭でできる練習メニュー
| 見られた誤答 | メニュー(1日5分ほど) |
|---|---|
| 13−8=2 型 | 10−□の練習+さくらんぼの「残り」に○をつけて解く |
| 61−28=47 型 | 一の位だけを具体物で「取れる?」と確かめる |
| 61−28=43 型 | かりた印を書く練習。1日3問を丁寧に+検算 |
| 1000−357=753 型 | 0が並ぶ位に「9」を書く手順+お釣りごっこ |
| ちがい・はじめの数 | おはじきを並べる/テープ図をかいてから式 |
支払いの場面は、ひき算がそのまま出てきます。まずは「1000円出すとおつりはいくら?」から。答え合わせはレジがしてくれるので、親が丸をつける必要もありません。
慣れてきたら「いくら出すと、おつりの小銭が少なくなる?」に進みます。たとえば会計が950円のとき、1000円だけ出すとおつりは50円玉1枚。1000円札と50円玉を出す(1050円)とおつりは100円玉1枚で、細かいお金が大きいお金にまとまります。
もう少し大きい数だと差がはっきりします。会計1,230円で2,000円を出すと、おつり770円は500円1枚・100円2枚・50円1枚・10円2枚の6枚。10円玉を3枚足して2,030円を出すと、おつり800円は500円1枚・100円3枚の4枚です。出した3枚と合わせて、財布の小銭は5枚少なくなります。
これは「ひき算を逆から考える」練習です。答えを先に決めて、そうなる出し方を探す——中学以降の逆算につながる考え方でもあります。
幼稚園のころから、買い物中に「1000円出すとお釣りはいくら?」と聞くようにしていました。慣れてきてからは「950円のときに1050円出したらお釣りはいくら?」「小銭を少なくするにはどうしたらいい?」まで広げています。
1年生はくり下がり、2年生は2けたの筆算、3年生は3けた・4けたの筆算を含む問題が出ます。どの型の誤答が出るかを確かめるのに使えます。
1年生のドリルを開く →確認日: 2026年9月27日。学習指導要領では、第1学年で1位数どうしの加法とその逆の減法(くり下がりのあるひき算を含む)を、第2・3学年で2位数・3位数・4位数の加法と減法の筆算を扱います。「ちがいはいくつ」のような比べる場面も、第1学年のひき算の場面として扱われています。家庭では、誤答が出たときに「どの学年の内容に戻ればよいか」を決める手がかりとして使えます。誤答の型の整理と直し方は、にじゅうまる。運営者による整理です。
まとめ
- ひき算の誤答には型がある。型がわかれば、戻る場所が決まる
- くり下がりは減加法。「10−□」と「数の分解」が土台
- 筆算はかりた印を書く。途中の0は「9」
- 「ちがい」「はじめの数」は、並べる・図にするで式を決める
- 検算(答え+引いた数)で、自分で誤りに気づける
よくある質問
Q1. くり下がりのひき算はどう教えればいいですか?
「10から引いて、残りを足す」減加法が基本です。13−8なら、13を10と3に分けて、10−8=2、2+3=5。前提として10−□に迷わず答えられるかを先に確かめておくと進めやすくなります。
Q2. 13−8を「2」と答えてしまいます。
10−8=2まで計算して、分けた3を足し忘れている型です。さくらんぼで分けた3に○をつけて「あとで足す」と印をつけると、足し忘れに気づきやすくなります。
Q3. 1000−357のような計算で間違えます。
途中の0を「10」にしてしまう誤答がよく見られます。0が並ぶ位は、かりたあとさらに下の位に貸すので「9」になります。999−357=642に1を足す工夫で確かめる方法もあります。
Q4. ひき算の検算はどうすればいいですか?
「答え+引いた数=もとの数」になるかを確かめます。52−17=35なら、35+17=52。十の位の減らし忘れなどは、この検算で見つけられます。
Q5. くり下がりで指を使っています。やめさせるべき?
無理にやめさせる必要はありません。10−□の練習と数の分解の遊びを増やすと、指を使わずに済む場面が増えていきます。
学年を選んで、その場で採点しながら練習できます
2年生のひき算の筆算をやってみる →