📐 図形は「センスの単元」と思われがちですが、実際は公式の意味の理解と手を動かした経験の量で決まります。学年別マップ・面積公式の意味・つまずき対策を一気に整理しましょう。
学年別・図形で学ぶこと
| 学年 | 主な内容 |
|---|---|
| 1年生 | かたちあそび(つみき・いろいた)、かたちの特徴 |
| 2年生 | 三角形と四角形、長方形・正方形・直角三角形 |
| 3年生 | 円と球、二等辺三角形・正三角形、角 |
| 4年生 | 角度(分度器)、垂直・平行、台形・平行四辺形・ひし形、長方形の面積 |
| 5年生 | 三角形・平行四辺形・台形・ひし形の面積、合同、体積(直方体)、円周 |
| 6年生 | 円の面積、線対称・点対称、拡大図・縮図、角柱・円柱の体積 |
図形は「かたちに親しむ(低学年)→性質を調べる(中学年)→量を計算する(高学年)」の3段階で進みます。高学年で面積・体積につまずく子は、実は中学年の「垂直・高さ」の理解があいまいなことが多いです。
面積の公式一覧(これだけは!)
| 図形 | 公式 | 学年 |
|---|---|---|
| 長方形 | たて × よこ | 4年 |
| 正方形 | 1辺 × 1辺 | 4年 |
| 平行四辺形 | 底辺 × 高さ | 5年 |
| 三角形 | 底辺 × 高さ ÷ 2 | 5年 |
| 台形 | (上底+下底)× 高さ ÷ 2 | 5年 |
| ひし形 | 対角線 × 対角線 ÷ 2 | 5年 |
| 円 | 半径 × 半径 × 3.14 | 6年 |
円周と円の面積の詳しい解説(逆算問題・3.14の計算のコツ)は、専用記事円周の求め方・円の面積にまとめています。
公式は「変形して長方形に戻す」と意味がわかる
この表を丸暗記させると、忘れたとき・応用問題で崩れます。実はすべての面積公式は「長方形(たて×よこ)に変形する」という1つの考え方でつながっています。
- 平行四辺形:端の三角形を切って反対側に移すと長方形になる → 底辺×高さ
- 三角形:同じものを2つ組み合わせると平行四辺形 → だから÷2
- 台形:同じものを2つ組み合わせると平行四辺形(底辺=上底+下底)→ だから÷2
- 円:細かく切って並べかえると、ほぼ長方形(たて=半径、よこ=円周の半分)
紙を切って実際にやってみるのが一番です。一度「自分の手で長方形に変形した」経験があると、公式を忘れても自力で導けるようになります。これが図形が得意な子の正体です。
💡 「なんで÷2なの?」と子どもに聞かれたら大チャンス。「いい質問!2つ合わせたら何になるか切って確かめよう」と、疑問を実験につなげてください。
つまずき①:「高さ」がわからない
例題1:底辺6cm、高さ4cm、ななめの辺5cmの平行四辺形の面積は?
解き方:面積=底辺×高さ=6×4=24cm²。ななめの辺5cmは使いません!
「高さ」は底辺に垂直な長さで、かたむいた図形では図形の外に出ることもあります。ななめの辺を高さだと思って計算するのが定番ミス。対策は「底辺に直角マーク(∟)がつく線をさがす」こと、そして問題の図を回して底辺を下にして見ることです。ノートの角や下じきを当てて「垂直」を確かめる癖も有効です。
つまずき②:角度と分度器(4年生)
分度器の使い方でつまずくポイントは決まっています。
- 中心の合わせ方:分度器の中心を角の頂点にぴったり
- 0°の線の合わせ方:角の1辺に0°の線を重ねる
- 内側・外側どちらの目もりを読むか:0°から数え始めた側の目もりを読む
「だいたい何度か先に予想する」習慣が最強の対策です。「これは90°より大きい?小さい?」と見当をつけてから測れば、目もりの読み間違い(60°と120°の取り違えなど)に自分で気づけます。
つまずき③:単位(cm²・m²・cm³)
面積の単位cm²(平方センチメートル)は「1辺1cmの正方形が何枚分か」という意味です。「長さはcm、広さはcm²、かさはcm³」と、単位が図形の種類(線・面・立体)を表していることを意識させましょう。1m²=10000cm²(100cm×100cm)のような単位換算は、「1辺を換算してからかける」のがコツです。
例題(複合図形:入試や単元テストの定番)
例題2:たて8cm・よこ10cmの長方形から、底辺10cm・高さ4cmの三角形を切り取った残りの面積は?
解き方:長方形=8×10=80cm²。三角形=10×4÷2=20cm²。残り=80−20=60cm²
複雑な形は「知っている形に分ける」か「大きい形から引く」の2択です。図に補助線を引いて、どの公式が使える形に分けられるかを考える——これが図形の応用問題の解き方の基本形です。
体積の入り口(5・6年生)
5年生では立体の量=体積を学びます。公式は 直方体=たて×よこ×高さ、立方体=1辺×1辺×1辺。単位はcm³(立方センチメートル)で、「1辺1cmのサイコロが何個分か」という意味です。
例題3:たて4cm・よこ5cm・高さ3cmの直方体の体積は?
解き方:4×5×3=60cm³(1cm³のサイコロが、1段に4×5=20個、それが3段分)
「×高さ=何段積むか」というイメージができると、6年生の角柱・円柱の体積(底面積×高さ)にそのままつながります。ブロックを実際に積んで数える体験が、公式の意味を支えてくれます。あわせて、箱を切り開いた展開図も4〜5年生の学習内容。「この展開図、組み立てるとどの面とどの面がくっつく?」という問題は、頭の中で紙を折る想像力が必要なので、実物のお菓子の箱で練習するのが一番の対策です。
家庭でできる図形遊び
- 折り紙:正方形→三角形→さらに半分。切って開くと対称形(6年の対称の先取り)
- タングラム・パズル:形の分解・合成の感覚が育つ
- お菓子の箱の展開:箱を切り開くと展開図。組み立て直せば立体感覚
- 敷きつめ遊び:同じ形のタイルで床を埋める→「すきまなく敷きつめられる形」の発見
- 地図で形さがし:「この公園、台形っぽくない?」——身のまわりは図形だらけ
図形感覚はプリント学習だけでは育ちにくく、手で動かした経験の量がものを言います。低学年のうちの遊びが、高学年の面積・体積の理解を支えます。
よくある質問
Q1. 面積の公式一覧は?
長方形=たて×よこ、平行四辺形=底辺×高さ、三角形=底辺×高さ÷2、台形=(上底+下底)×高さ÷2、ひし形=対角線×対角線÷2、円=半径×半径×3.14です。
Q2. 三角形はなぜ÷2?
2つ組み合わせると平行四辺形になるからです。紙で実演すると一度で納得します。
Q3. 高さの見つけ方は?
底辺に垂直な長さです。直角マークを探し、図形を回して底辺を下にして見ましょう。
Q4. 図形のセンスがないようです。
センスではなく経験量です。折り紙・パズル・箱の展開など、手を動かす遊びを増やしてください。
まとめ
- 図形は「親しむ→性質→計算」の3段階。高学年のつまずきは中学年に原因があることも
- 面積公式はすべて「長方形への変形」でつながっている。一度は紙で体験を
- 高さ=底辺に垂直な長さ。ななめの辺にだまされない
- 複合図形は「分ける」か「引く」。補助線が武器
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